サイトスピード改善の目標はどう立てればよいか

代表取締役 宮永 邦彦
代表取締役 宮永 邦彦
画像最適化・フロントエンド高速化スペシャリスト
2026年1月31日
サイトスピード改善の目標はどう立てればよいか

「サイトスピードを改善してほしい」──そう言われたものの、具体的にどこまで何をやればいいのか、やった先に何が得られるのか、見通しが立たない。そんな苦しさを感じたことはないでしょうか。

アイデアはある、でも判断基準がない

サイトスピードの改善に着手しようとすると、やれることは意外とたくさん見つかります。CSSやJavaScriptの最適化、画像の軽量化、サーバーのレスポンス改善──さまざまな施策の候補が出てくるでしょう。

問題は、どこまでやるかの判断です。すぐに実行できる軽い施策ならまだいい。しかし中には、アーキテクチャの見直しから必要になるような重い課題もあります。それに時間と予算をかける価値があるのか。やってみないとわからない部分もある中で、見返りが見えないまま大きな判断を迫られる──これが現場の苦しさの正体です。

見返りがわからなければ予算も計画も立たない

この苦しさは、指示を出す側も同じです。「サイトスピードを改善すれば売上が上がる」という話は聞いたことがあっても、具体的にどれくらい上がるのかがわからなければ、どこまで予算をかけるべきかの判断ができません。

本当にそれが意味のある改善なのか、自信が持てないまま作業を進めるのは、現場にとっても指示を出す側にとっても辛いことです。前回の記事で触れた「周囲の共感が得られない」という問題は、ここでも同じ構造で現れます。頑張ることの価値が見えなければ、チームの気持ちは揃いません。

弊社が提供する「Speed is Money」は、この問題を解決するために開発されたアクセス解析ツールです。計測タグを設置するだけで、自社サイトにおけるスピードと収益の関係をデータとして蓄積し、スピード改善による収益の伸びを予測できます。

Speed is Money

Speed is Money

サイトスピードと収益の関係を可視化する無料アクセス解析ツール。計測タグを設置するだけで、スピード改善による増収シミュレーションが可能。目標設定に客観的な根拠を提供します。

サイトスピードと収益の関係は明確に存在する

では実際のところ、サイトスピードは収益にどの程度影響しているのでしょうか。

Speed is Moneyで計測したあるECサイトのデータをご覧ください。

LCPとCVRの関係

横軸はLCP(ページのメインコンテンツが表示されるまでの時間)、縦軸はCVR(コンバージョン率)です。LCPが良好なユーザーほどCVRが高く、LCPが悪化するにつれてCVRが急激に低下しています。サイトの表示が遅いユーザーほど、購入に至らないという関係が、データとしてくっきり表れています。

10%の改善で収益はどれだけ伸びるか

この関係をもとに、スピード改善による収益の伸びを予測することもできます。

Speed is Moneyでは、協力いただいた14の通販サイトのデータから、LCPを5%・10%・15%改善した場合のCVR改善率をシミュレーションしました。

14サイトのLCP改善率とCVR改善率の関係

結果を見ると、10%のスピード改善で、CVR改善率の中央値は約9%。ただし、サイトによるばらつきは大きく、5%程度にとどまるサイトもあれば、20%以上の伸びが見込まれるサイトもあります。

このばらつきは、今そのサイトでどれだけスピードによる機会損失が発生しているかによって決まります。すでに速いサイトは伸びしろが小さく、遅さが大きな離脱要因になっているサイトほど改善効果が大きい。つまり、一般論で「10%改善すればこれくらい」とは言い切れず、自社サイトのデータで測ってみなければわからないのです。

自社の数字を持つことが目標設定の出発点

「どこまでやるか」を決めるには、まず「やったら何が得られるか」を知る必要があります。自社サイトの数字が手元にあれば、軽い施策で済むのか、アーキテクチャから見直す価値があるのかの判断に、具体的な根拠が生まれます。

見通しのない改善は苦しい。でも、数字という地図があれば、チーム全員が同じ目標に向かって進むことができます。

本記事で紹介した14サイトの調査やモデリングの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。

Speed is Money

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自社サイトのスピードと収益の関係を計測し、改善による増収を予測。スピード改善の計画づくりの第一歩に。

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