PageSpeed Insightsの指摘に対応しても速くならない理由

代表取締役 宮永 邦彦
代表取締役 宮永 邦彦
画像最適化・フロントエンド高速化スペシャリスト
2026年2月3日
PageSpeed Insightsの指摘に対応しても速くならない理由

PageSpeed Insightsでスコアを確認し、指摘された項目をひとつずつ対応した。画像を圧縮し、不要なCSSを削り、JavaScriptの読み込みを遅延させた。それなのに、体感的にはほとんど変わらない──そんな経験はないでしょうか。

「やるべきことはやったはずなのに、なぜ速くならないのか」。この疑問は、サイトスピード改善に取り組んだ多くの方が一度は抱くものです。

そのアドバイスは誰に向けたものか

PageSpeed Insights(以下PSI)はGoogleが提供する無料ツールで、サイトスピードの分析に広く使われています。ただ、ここで一つ考えてみたいことがあります。PSIが示すアドバイスは、 「どんなネットワーク環境」で「どんな端末」を使っているユーザーを想定しているのか ということです。

実は、PSIのスコア計算や改善提案は、グローバルスタンダードな通信環境と端末性能を前提としています。世界全体で見れば高速な通信環境が整っていない地域はまだ多く、そうした環境でもストレスなく表示できるサイトを目指す──というのがPSIの基本的な思想です。

日本のネット環境は恵まれすぎている

日本は世界的に見ても、通信速度・端末性能ともにトップクラスの環境にあります。4G・5Gの普及率は高く、光回線も広く行き渡っている。つまり、PSIが想定するグローバル標準のユーザーと、日本の実際のユーザーとの間には大きなギャップがあるのです。

たとえば「画像を軽量化しましょう」という指摘。ガラケー時代や通信速度が遅かった10年以上前であれば、画像のデータサイズを削ることは表示速度に直結する非常に重要なプラクティスでした。しかし通信がここまで高速になった現代の日本では、画像のデータサイズは体感的な表示スピードにそこまで影響しなくなっています。グローバルの低速環境では依然として有効なアドバイスですが、日本のユーザーにとっては効果がごくわずかというケースが少なくありません。

一般論に時間をかける怖さ

PSIのアドバイスは間違いではありません。対応するに越したことはないのはその通りです。しかし問題は 優先順位 です。

限られた予算と時間の中で効果が薄い一般論に多くのリソースを費やし、本来対応すべきサイト固有のボトルネックに手が回らないまま 「やれることはやったのに速くならない」という状況に陥る。PSIが示す「削減できる時間」はあくまでグローバル基準の理論値であり、日本のユーザーが実際に体感する改善幅とはかなり乖離していることが少なくありません。

日本の環境に対してはやや的外れになってしまっているのが、PSIの指摘やネット上でよく見かけるサイトスピード改善の一般論の問題点です。

速くしたいならタイムラインにダイブする

一般論に振り回されるのではなく、自分のサイトで実際に何が起きているかを直接確認するアプローチが必要です。そのための手段が、パフォーマンスタイムラインです。

パフォーマンスタイムラインの例

パフォーマンスタイムラインとは、ブラウザの開発者ツールで確認できる、ページ読み込みから表示完了までの全過程をミリ秒単位で記録したものです。どのリソースがいつダウンロードされ、CSSの解析にどれだけかかり、JavaScriptのどの処理がどのタイミングで実行されたか──自分のサイトの本質的な問題点が、このタイムラインの中に見えてきます

PSIの一般論が外側からの観察だとすれば、パフォーマンスタイムラインはメスを入れて内部を直接確認する外科手術のようなものです。サイト固有のボトルネックは、このタイムラインに深く潜らなければ見つけられません。

タイムラインの読み解きは別のスキル

ただし、パフォーマンスタイムラインを正確に読み解ける人は非常に少ないのが現実です。このタイムラインを読み解く技能は、ブラウザの表現力を活かす能力とはまったく異質なものです。ブラウザを用いた表現に長けたデザイナーやフロントエンドエンジニアが、このタイムラインまでしっかり読み解けるというケースはごく少数です。

デザイナーやフロントエンドエンジニアには、表現力の追求に集中してもらうべきです。パフォーマンスタイムラインとにらめっこして性能について考えるという領域は、別のスキルセットとして 専門家に委託する方が近道 です。


弊社の「ページスピード改善リハーサル」は、パフォーマンスタイムラインの深い分析を通じて、お客様のサイト個別のボトルネックを特定する専門サービスです。PSIの一般論ではなく、実装前にシミュレーション環境で改善効果を検証し、効果が確認できた施策だけを提案します。十分な改善が見込めない場合は料金をいただきません。

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